アブラコウモリの生態と侵入された時の対策・駆除方法

夕方になるとみかけるコウモリ、それはもしかしたらアブラコウモリかもしれません。実は私たちの生活範囲に最も身近な場所にいるのがアブラコウモリです。

人間にとって最も身近なアブラコウモリ

アブラコウモリの特徴

アブラコウモリは翼手目ヒナコウモリ科に属するコウモリの仲間です。頭胴長は4.0~6.0cm、前腕長3.0~3.7cm、尾長2.9~4.5cm、体重は5~10gほどの非常に小型のコウモリです。

体毛はあまり密に生えておらず、腹面が灰褐色、背面が灰色がかったオリーブ色で若干白色部分があります。

アブラコウモリの生態

アブラコウモリは東アジア~東南アジア、ベトナム中~北部、大陸中国南部~東部、朝鮮半島など幅広い範囲に分布します。

日本においては本州~九州、琉球列島などに分布します。

建造物や洞窟などをねぐらにし、都市部では道路や鉄道、橋の下や大きな倉庫などに住み着くこともあります。夜行性で日没後10~30分後に公園、農地、河川、ため池など開けた場所で採餌します。ガやハエ、カメムシやハチ類などを捕食する食虫性で、益獣としての一面もあります。10月に交尾し、冬眠中精子は卵管と子宮に貯精されます。

冬眠終了後に排卵して授精し、7月頃に出産をします。出産は通常昼間のうちに行われ、2~4頭の子コウモリを産みます。新生児の体重は一円玉よりも軽い0.86g程度です。

参考:アブラコウモリ / 国立環境研究所 侵入生物DB

実はフンを撒き散らす厄介なヤツ⁉︎

狭い隙間から人の家に侵入する

アブラコウモリは別名「イエコウモリ」と呼ばれるくらい、人家の屋根裏や屋根瓦の下などに住み着くものが殆どです。

とても小さなコウモリなので、親指が入る場所、例えば換気口などからもアブラコウモリは侵入できると考えてよいでしょう。

アブラコウモリの糞

もしも家の壁に長さ1cm弱の細長い黒い糞があったら、それはアブラコウモリの糞の可能性があります。昆虫しか捕食しないため、ネズミの糞よりも脆いのが特徴です。糞のある場所の上あたりに出入り口としている場所がある可能性が高いです。

アブラコウモリの糞の被害

アブラコウモリは通常メスと幼獣の数匹で生活しますが、時には数百を超える集団になるケースもあります。天井裏などに住み着くと死骸や大量の糞尿のために悪臭やダニ被害などに悩まされることになります。

アブラコウモリの対策・駆除の方法

コウモリが家に住み着いたら

天井裏や倉庫などに侵入しているコウモリには忌避スプレーを使用して追い出しましょう。スプレー式のものに比べて長時間効果が持続するタイプのジェル状の忌避剤もあります。

また、アブラコウモリは日没後に活発に活動を始めます。巣からいなくなるその時間帯にコウモリが出入りできる穴を全て塞ぐことは有効です。

ちなみに、日本に生息しているコウモリは全て鳥獣保護法で守られています。そのため殺すことはもちろん、捕獲することも禁じられています。またコウモリは様々な病原菌を保持している可能性があるため、絶対に素手では触らないようにしましょう。

【もっと詳しく知りたい方へ】
コウモリを駆除・撃退する方法や注意点はこちら

駆除が困難な場合は

コウモリは7~8月に繁殖期に入るため、この時期に追い払うことは困難になります。これ以外の時期に作業をすることをおすすめいたします。

コウモリ退治は非常に難しく危険を伴う場合があるので、コウモリ駆除の専門業者に依頼することも検討してみるとよいでしょう。

コウモリが近づかない家にするために

コウモリは大量の昆虫をエサとします。ですからなるべく家の中や周りの環境を清潔にし、少しでもゴキブリなどの害虫を減らしましょう。

また使用していないシャッターの内側に住み着いてしまうこともあります。毎日シャッターを開閉し、コウモリが出入りしづらい環境を作ることも有効です。

まとめ

アブラコウモリについてまとめてみました。
害虫をたくさん食べてくれる益獣でもありますが、私たちの生活に与えるその糞被害は害獣と呼ぶにふさわしく、また感染病についても未知の部分があるためあまり歓迎できる動物ではありません。

他のコウモリたちよりも繁殖力が強いため、被害に遭っているとわかった時点でなるべく早く手を打つようにしましょう。